里山の雑木林を中心に暮らすカブトムシ。
私たちが田んぼの作業を通して出逢える季節は冬。
夏、成虫のカブトムシは、
クヌギなどの蜜(樹液)を吸い、
夏の終わりに、腐植土などに卵を産む。
冬は、幼虫で腐植土などの中で越冬し、
春は、蛹。
そして初夏に羽化して成虫になる。
成虫であるのは、
その生のなかで、3ヶ月ほど。
セミ、トンボ、ハチ...
私たちがしぜんに、その季節に目にする
成虫となった里山で生きる多くの昆虫たちはみな、このような生を送っている
ほんとうにわずかな時間(成虫)のために、他の多くの時間(卵、幼虫)はある。
そしてみな、食物連鎖のなかに生き、食う食われるのなかで生きている。
ひとつひとつのいのちをこうして思うと、尊いなあとつくづく思う。
カブトムシは
腐植土などで幼虫時代を過ごす。
クワガタムシは
朽ち木のなかで幼虫時代を過ごす。
人は、落ち葉などを積み
堆肥をつくり、
雑木林で切った木は
しいたけのほだ木となった後、
雑木林に積まれ、朽ちる。
人と生きもの。
お互いに必要な作業、ものが、しぜんに繋がる関係が心地よい。
今、カブトムシといえば、お店で買う。飼う。人工的な餌を与える。
それが、普通となりつつある現実。
ここでも、カエル(オタマジャクシ)をはじめ、カブトムシも、
人によってとられしまうことが危惧されている。
ひと昔、子どもの頃は、里山でクワガタ捕りをしたなんてこともあった。
けれど、今では、生きものの個体数は減り、ままならない状況があることも事実。
時代は確かに変わりつつあるのだ。ざんねんでもあることだけど。
生きものにとって、一番の天敵は人間であるともいえる現実。
舞岡公園では、「持ち込まない、持ち出さない」がルール。
カブトムシはこの山で生きている。
人と生きもの。
お互いに必要な作業、ものが、しぜんに繋がる関係が心地よい。
(追記情報)
お店で売っているカブトムシ。子どもたちが大好きな外国産のカブトムシ。
もしかしたら、この幼虫たちのなかにも「外来種」が入り込んでいるかもしれない...
さらに遺伝子の交雑の問題など。問題はとても根深い。。。
※幼虫で見分けることができます。
(なかには、国産カブとよく似ているものもありますが、見分けができます)