水分をしっとり含んだ曇り空
田んぼの水が、はじめ冷たく感じました。
代かきは、
水を張って田んぼの土をかき回し
田んぼの土に水と空気を送り込む作業です
三本鍬で土の塊を崩しながら、
土を足で踏み込んで田んぼを歩き回ります
畦草刈りをした後の、畦ののり面を木の棒で叩きます。
冬のあいだできた、モグラの通ってあいた穴や、ザリガニの巣穴を埋めて水もれを防ぎます
木の棒から伝わる振動は、モグラにお知らせもしています。
馬鍬(まんが)もどき登場
昔は馬に付けて引かせたことからこの名前
木の棒の両端をひもで結んだ道具で、
田んぼのなかをひっぱり歩きます
田んぼの高低差を調整して、
土をならしてゆきます。
土に粘りが出てとろとろになってきました
足元の泥土を足で捏ね、
のり面にのせ、
平鍬で畦ぬりをしてゆきます。
緩やかな棚田。
上手は水がしみ込むように畦ぬりはせず、
下手は水が抜けていかないように
畦ぬりをします。
「畦塗り三年」といわれます。
体験を、経験を重ねて。
田んぼの高低差をみて、
泥を平らにしてゆきます。
乾田から水田へ。
いよいよ田植えを待つ田んぼになりました
生きものたちも、
コンクリで固められていない田んぼは、
乾田好きの生きものは畦に移動でき、
水田(水性)の生きものたちは、
卵から目覚め... 入れ替わってゆきます。
人も、生きものも、
田植えを待っているんだね。
「代かきはいのちのスープ」
代かきをした後の田んぼの泥。
太陽の日射しを浴びてあたたかみのあるやさしい泥。
きめ細かな泥が稲の根の生長を促進してくれます。
水を張って田んぼの土をかき回す代かきは、
田んぼの土に水と空気を送り込む作業です。
実はこの水と空気によって、今まで乾いた土の中で眠っていた
たくさんの生命たちが目を覚まします。
田んぼは、人工の湿地。
田んぼのなか(水田)は、水が好きな生きものたちが住む場処。
畦際は、湿った土が好きな生きものたちが住む場処。
畦上は、乾いた土が好きな生きものたちが住む場処。
いろんな条件が揃う、接縁(エッジ)には、たくさんの生きものたちが住みやすくなる。
田んぼは、たくさんのいのちが生きる場処。
参考に。
「代かきと田植えのあいだ」土の会 2008.5